悪化因子

最大の悪化因子は皮膚への刺激です。アトピー性皮膚炎の方は、体質として敏感な皮膚を持っています。その為、様々な刺激に過敏に反応します。衣服や毛髪による皮膚への刺激、入浴時の洗いすぎや擦りすぎ、洗浄力の強すぎるソープ、乾燥・・・・ 。 若い方では、毛剃りによる腕やスネの湿疹の悪化がよく見られます。皮膚を刺激していないか日常生活を見直してみてください。

冷たい風や日光に過敏に反応して、顔が紅くなったり腫れることもあります。化粧品や保湿クリームにかぶれていることもあります。かぶれはパッチテストで原因をみつけることができますので、ご相談下さい。

瞼の湿疹は、ホコリやペットのフケなどで、悪化していることがあります。ホコリやペットに対するアレルギーがないか、血液検査をおすすめします。目薬でかぶれていることもありますので、ご注意ください。

また、皮膚の状態に非常に神経質になって、皮膚表面のカサカサを爪で剥がしたり、入浴時にこすって取ったりする方もおられます。 皮膚を触る事がクセになっている方もいます。無意識に皮膚に手がいってませんか?

慢性の刺激があると、皮膚の炎症は治まりません。炎症が治まると赤みや皮膚表面のカサカサ(落屑)は徐々に消えてきますので、それまでちょっとがまんです。

ストレスが重なると、つい掻いてしまい、掻くことから抜けだせない方もおられます。患者さん自身が気づいている事が多いですが、無意識に掻いてしまうこともあります。

ストレスの原因は分かっていても、避けられないから本当の意味でストレスになっている訳で、自分の生き方に関わる問題が根幹にあることが多いように思います。

多くのアトピ-性皮膚炎患者さんとつきあって来ましたが、皆さん、自分なりのストレス対策を見つけて辛い状態から抜け出ています。何が自分のストレスになっているかは、自分で探っていかなけれなりません。前向きな気持ちで、少しずつ解決策を見い出して下さい。