以前から、日光浴をするとアトピー性皮膚炎が良くなる経験をした患者さんが多くいました。治療として、アトピー性皮膚炎の子供に対して海水浴キャンプも広く行われてきました。
現在も中波長紫外線(UVB)の照射や、長波長(UVA)を使ったPUVA療法などが行われています。しかし、紫外線には皮膚癌や皮膚老化の原因となるという副作用もあるため、治療装置に様々な改良が重ねられてきました。
紫外線の波長のうち光毒性が強いと言われている300nm以下の波長をカットし、中波長紫外線(UVB)の中の、皮膚疾患に有効である狭い範囲の波長(311nm~313nm)だけを照射する装置が最近開発されました(ナローバンドUVB)。最初は、乾癬の患者さんに効果があることで普及したのですが、アトピー性皮膚炎の痒みにも効果があることが、報告され、最近広く行われるようになりました。
日焼けのような強い炎症は起こらず、照射時間も短時間(数分以内)です。アトピー性皮膚炎の症状軽減のためには、治療開始時は最低でも週2回程度の照射が必要です。通院できる方にお勧めしています。