イボ（尋常性ゆうぜい）・水イボ（伝染性軟属腫）
イボはヒト乳頭腫ウイルスの感染で生じます。子どもに多い病気で、自分の中でうつって増えたり、家族内でうつることもあります。
ヒト乳頭腫ウイルスは小さな傷を通して皮膚に入り込むので、傷を作りやすい手足にできることが多いですが、どこの部位にもできる可能性があります。
イボは自然治癒もありますが、周囲にうつってしまうこともあり、治り方には個人差が大きいです。治療は液体窒素による凍結治療が標準的です。１回で完治することは少なく、複数回かかりますので根気よく治療を続けてください。特に足の裏や爪の下のイボは難治性です。
尋常性ゆうぜいは、ウオノメと思って放置されていることもよくあります。子どもにウオノメができることは珍しいので、お子さんにウオノメのような症状があったら、皮膚科を受診しましょう。
水イボは、子どもに多いウイルス性の感染症です。直径１－２ｍｍのブツブツで、水っぽい光沢があり、いぼ状に出っぱっているため、水イボと呼ばれています。発疹ひとつひとつにウイルスの塊が入っており、掻きむしったりして中身が出ると、周囲に広がってしまうことがあります。他の人に接触してうつることもあります。
健康な子どもでは、6ヵ月～3年で自然治癒するとされていますが、個人差が大きく、その患児がいつ治るかを予測することは困難です。特に、アトピー性皮膚炎の子どもは、いったん感染すると湿疹を掻くのと一緒に掻いてしまって、数十個以上に広がってしまうことがあります。通常のイボ（尋常性ゆうぜい）や、水イボなどのウイルス感染症は、その人の持っている免疫の力で治癒に向かうので、当院では、基本的には治癒過程を促進する意味で、液体窒素による冷凍治療をします。
保育所などの都合で、早く治したい場合は、水イボをピンセットでつまんで白い中身（ウイルスの塊）を出すこともあります。どちらの方法でも、処置の際に痛みを伴います。痛みが強い場合は局所麻酔のテープを使用することができます。局所麻酔テープ使用をご希望の方はご相談ください。