足底に硬いものが出来た時に、まず考えるのは、タコ、イボ、ウオノメです。
イボはウイルスによるもので、子供や若い人に多く、プールなどで感染することが多いです。主に凍結治療をします。
タコやウオノメは、足底の特定の場所に長期間刺激や圧迫が加わった結果できます。
刺激から皮膚を保護するために皮膚表面に、限局性の角質増殖が起こります。
刺激を受けた部位全体の皮膚が、厚く硬くなって盛り上がっているものをタコ(胼胝)といいます。第1または第5中足骨骨頭に一致する足底に好発し、痛みの無いことが多く、むしろ厚くなった角質のために感覚が鈍くなっていることもあります。
習慣や職業により出現部位が異なりまが、多くは体重のかかる足底に生じます。
ウオノメ(鶏眼)も、圧迫、摩擦などの刺激が一定部位に繰り返し加わると、平らで半透明の中心部(核)を持った周りとの境界がはっきりした角質肥厚が生じます。皮膚の内側に釘のように凸に食い込んで魚の目のように見えます。
大人の足底や足趾(ゆび)などにでき、直径5~7mm大です。クサビ型角質肥厚の頂点は真皮内に向かい,神経を圧迫するのでナイフで刺されたような疼痛が特徴です。
原因となる圧迫、刺激を避け、厚くなった角質を削り取る処置を行います。
鶏眼・胼胝は治療により簡単に削り取ることにより生活に支障のない程度には出来ます。
しかし、不適合な靴、長時間の歩行、扁平足、開帳足、などの足変形、股関節異常、膝関節異常、歩行障害、骨変形などの圧迫因子を見つけて、可能な限り除去しないと早いものでは2週間程で再発します。
対策としては、足に合った靴を選ぶことがもっとも重要です。靴の中敷き(インソール)も効果がありますので、専門的知識のある販売店で相談されることをお勧めします。
職業や、歩行障害など原因がわかっても、現実的には改善は難しい事が多く、その場合は角質軟化剤などを用いたスキンケアやパッドなどを用いて、なるべく局所の刺激を少なくするような工夫も必要です。
糖尿病の患者さんでは、自覚症状がないままにうおのめが悪化し、感染症を起こすことがあるので早めの対策が必要です。
足底の胼胝(べんち)