頭ジラミと毛ジラミ

最近、頭ジラミが最近増えています。子供に多いですが、成人にもみられます。お子さんが頭を掻いていたら、頭皮を良く見てください。成虫は動きが速いので、見つけるが難しいですが、卵は肉眼で見つけることができます。

アタマジラミ症

頭部、とくに側頭部の掻痒が特徴であるが、掻痒の程度は個人差が大きい。掻破による二次感染ならびに後頭部リンパ節炎を合併することも多い。毛髪間に虫体、あるいは毛幹に固着する卵の存在を認めることで診断は確定する。

治療として、わが国では1981年合成ピレスロイド系殺虫剤の一種フェノトリン(スミスリン)が認可を得て、一般に使用されている。
1.5%のフェノトリン粉(スミスリンパウダー)が市販されているので、これを頭皮に外用して治療する。成虫には有効であるが、卵には効果は認められないので、8日前後の孵化期間を考慮して3~4日の間隔で3~4回、外用を繰り返す必要がある。フェノトリン含有のシャンプーも市販されている。

ケジラミ症

主な寄生場所は陰毛で、シラミは毛幹基部につかまって生活する。移動する距離がきわめて短いため、伝播は接触によることが多い。性病に準ずるものとして一般に扱われている。
恥毛部、外陰部の掻痒が主で、刺部に小さな紅斑を見る。
寄生部位としては、陰毛の他腹部、胸部の毛や腋毛、まれに頭部、子供の睫毛に見ることがある。わが国では、最近家族内感染例の報告が多い。

治療としては、フェノトリン粉末を散布し、数時間後に水洗する。
卵の孵化を考慮し、アタマジラミと同様、3~4回の繰り返しが必要である。睫毛の寄生には、ピンセットで虫体・卵を除去する。